増加する「クレーマー」対策

日本人の権利意識の高まりからか、数年前からいろいろな業種でクレーマー対策が脚光を浴びています。中でも、以前は少なかった医療機関へのクレームが増加しています。このようなクレーマーに対して、どのように対応すればいいのでしょうか。

医療機関でのクレーマーを「モンスターペイシェント」といいます。
特に極悪な患者ではなく、普通の患者さんが突如怒りを爆発させ、クリニックに無理難題を突きつけたり、なかには暴力をふるう「モンスターペイシェント」に変身することが多いようです。このような患者さんを「ホワイトモンスター」(正当な要求をするクレーマー)と呼んでいる医療機関もあるようです。

増加の背景には、医療機関と患者との関わりが変化したことが原因だといわれています。「医療はサービス業」といわれ、医療機関同士の競争も激化し患者はサービスを受ける側であるという自負が、提供されるサービスへの不満になるのでしょう。また、弱者が重視される今日、患者は弱者であるから当然保護されるべきとの思いが患者側にあることも原因です。医師は、医師法で受診拒否を許されません。まさに医師受難の様相です。

では、このようなクレーマーにはどのように対処すればいいのでしょうか。
クレーマーは、その態様から正当な要求をするもの金品目当てのものその中間の三種類に大別できます。
基本的には、クレームに対しては真摯に傾聴すること。それによって、こちらとして出来得る対応を判断し、御理解いただけるように説明すること。御理解いただけない方には、はっきりと「これ以上の対応はできません」と意思表示することが重要です。いたずらに長引かせて良いことはありませんので、素早い対応が必要です。

また、将来のトラブルに備えて、メモをとることや録音することも必要なことです。将来、裁判等に移行した場合にも重要な証拠資料になります。クレーマーが暴力的な場合に備えて、警察への通報手順も職員間で打ち合わせておいたほうがいいでしょう。

クレームに対して、一概にこちらの非を認めるわけでなく、真摯に対応することで怒りを鎮め、本質を見極めて対応する、それがクレーマー対策に求められるのではないでしょうか。医療機関だけでなく、他の業種でもクレーマーは多く存在します。こちらの正当性を主張しても激昂した相手は聞き入れません。冷静に対応するように心がけましょう。 

川崎事務所 依知川功一

 

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