福利厚生のスタイル「カフェテリアプラン」

◆カフェテリアプランとは
「カフェテリアプラン」とは、もちろん企業経営に関する用語ですが、企業内にカフェコーナーを設置する企画ではありません。
これは福利厚生のスタイルのひとつで、漢字で表すと「選択型福利厚生制度」になります。
企業があらかじめ用意した多彩な福利厚生メニューの中から、従業員が自分に必要なものを選んで利用する制度で、具体的には、従業員は、企業から「福利厚生ポイント」を付与され、ポイントを消化する形で制度を利用する、というのが多く見られるスタイルです。

この制度は、1980年代にアメリカで生まれた制度と言われており、カフェテリアで多彩なメニューから好きなアイテムを選ぶように、従業員自らがメニューの中から必要な福利厚生サービスを選ぶことから、カフェテリアプランと呼ばれるようになりました。

◆メリット
カフェテリアプランは企業と働く側、双方に大きなメリットがあります。
<従業員側のメリット>
・多彩なメニューから選択可能なため、自分のニーズに合った福利厚生メニューを利用できる。
<企業側のメリット>
・従業員からの「余計なサービスがあるのに欲しいものがない」といった不満の声が大幅に減少する。偏りがなくなる。
・不要なサービスを廃止し、より効果的でニーズの高いサービスへの組替えが容易。
・ポイント設定により福利厚生予算の上限が明確化でき、予算が立てやすい
・誰のための福利厚生かという質問に、企業側は明確に回答を示していて、形ばかりの福利厚生とならない。

◆デメリット
一方で、当然デメリットがないわけではありません。
従業員にとっては、従前よりメリットばかりが増えたように思えますが企業側では無視できないデメリットが存在します。
<企業側のデメリット>
・新たに、煩雑なポイントを管理する業務が発生する。
・翌期へのポイント繰越が無い企業が多く、ポイントの消滅によって無駄にしてしまう従業員が出る可能性がある。
・利用の少ないメニューの定期的な見直しが必要。
中でも特に厄介なのは「ポイントの管理業務」になります。
大手企業では新たに管理システムを導入したり、制度自体をアウトソーシングするケースもあるようです。

◆メニュー例
カフェテリアプランのメニューは、企業が従業員のニーズによって自由に設定可能になります。

<メニュー例>
・資格取得補助  ・宿泊施設補助  ・チケット購入補助  ・レジャー施設利用補助
・人間ドック補助  ・メンタルヘルス補助  ・介護看護費補助  ・保育園託児所補助
・住宅ローン補助  ・リフォーム代補助  ・持株会奨励補助 etc.

企業によっては50,000ものメニューを用意している企業もあるようです。
カフェテリアプランのメニューでは、ライフステージによって選択するサービスを変えていくことができます。
新入社員や独身者に人気が高い語学スクール、スポーツクラブ。
子育て世代では、保育所利用や旅行関連補助。
熟年世代になると、介護サービスや人間ドック受診、というように個人負担が重い部分に手当することができ、多彩なメニューの中から、従業員自らが嬉しい=福利厚生効果を高めてくれるスキームが出来上がります。

◆カフェテリアプランの税務
「税務」と言われると、このカフェテリアプランって税金が掛かるの?と思われるかも知れません。
ここで言う税務の論点は、このカフェテリアプランによって従業員に付与されるポイントに係る経済的利益は、給与として課税されるか、給与に当たらないか、ということです。
(給与課税される場合は、企業側は他の給与と一緒に所得税を源泉徴収する必要があります)

原則としては、従業員がそのポイントを利用してサービスを受けた時に、そのサービスの内容によって個別に、課税・非課税を判断します。
例えば、企業契約施設の利用、健康診断や医療費控除の対象となる医療費補助などは非課税になり、一方で、ポイントを利用する従業員等に限り供与される趣味や娯楽に関するものは課税扱いになります。

ねて申し上げますが、原則は、従業員がポイントを利用してサービスを受けた時に、サービスの内容によって課税・非課税を判断することになります。
しかしながら、役員・従業員の職務上の地位や報酬額に比例してポイントが付与される場合やポイントに換金性がある場合には、カフェテリアプランの全メニューが課税対象となりますのでご注意ください。

◆カフェテリアプランのまとめ
カフェテリアプランの導入は、従業員の業務に対する意欲や活力の増加、能力UP、企業への帰属意識の強化という面で、福利厚生の効果を大きく発揮する制度になると言えるでしょう。
また、人材採用のプラス要素として期待できる側面も備えているかと思います。

企業経営者の皆様におかれましては、カフェテリアプランを導入の際は、メリット、デメリット、加えて、税務を含めた運用方法をご理解の上、十二分に福利厚生の効果を発揮して、企業発展に邁進いただきますようお願い申し上げます。
ご不明な点、ご相談事がございましたら、お気軽にご連絡ください。

参考:国税庁 質疑応答事例

横浜青葉事務所 菊池 潤


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