王道は建設業許可申請

健康保険・厚生年金は、役員一人だけの会社でも加入しなければなりません。個人事業の場合は、通常、従業員を常時5人以上雇用する場合には健康保険・厚生年金は強制適用となり、5人未満の場合は任意加入となります。

政府の社会保険に加入していない中小零細企業など約80万社(事業所)を特定し加入させる方針の下、2015年から未加入企業への調査が目立つようになっています。中でも社会保険の加入率が、約6割とされる建設業においては、平成24年2月に国土交通省が「社会保険未加入問題への対策」を発表し、平成29年度までに建設業許可業者の100%社会保険加入が目標となっています。

元請企業においては、「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」に沿って、下請企業の保険加入を確認・指導することが求められており、遅くとも平成29年度以降においては、適用除外でないにもかかわらず未加入である建設企業は、下請企業として選定しないとの取扱とすべきであること、また、適切な保険に加入していることを確認できない作業員については、元請企業は特段の理由がない限り、現場入場を認めないとの取扱いとすべきであることが同ガイドラインで求められています。
その一方、保険加入を徹底すると法定福利費の負担を避けるため社員との雇用関係を解消し、1人親方(事業者)とし、その1人親方と請負契約を結ぶケースが増えてくるとも懸念されています。

社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」による下請指導は、すべての下請企業に対して自ら直接指導を行うことが求められているわけではなく、直接の契約関係にある下請企業に指示し、又は協力させ、元請企業はこれを統括するという方法で行うことも可能とされており、2次、3次などの下位の下請企業への直接指導は1次、2次の上位の下請企業が行うことが必要となってきます。

工事受注に関し、上位の下請企業は、下位の下請企業が社会保険未加入の場合は、受注するために下位下請企業の社会保険料を負担しなければならなくなるケースも出てくるのではないでしょうか。でなければ受注をあきらめることにもなりかねません。場合によっては、違法行為になりかねない1人親方の形をとることとなるのかもしれません。そうならないためにも現在個人事業者として職人を抱える下請企業者に対して、今からどのような形をとれば一番いいのかの指導を上位下請企業はしていくことが必要なのではないかと思います。

請負金額が500万円以上の工事を請け負うには、建設業の許可が必要となり、大きな工事を請ける業者の場合、多くの下請企業者を抱える上位下請企業者は、軽微な建設工事のみを請け負わせる者以外には二次下請けであろうが三次下請けであろうが建設業許可が必要となります。

建設業を営む以上、しっかりと建設業許可を得て営業した方が良いのは言うまでもありません。個人事業者であれば、会社を設立し、建設業の許可を取得し、社会保険へ加入するというのが今後踏むべき手順であり、それが必然の流れのような気がします。

出典:社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン
    社会保険未加入対策に関するQ&A(よくある質問)

東京練馬事務所 南宏一

  

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