改正 育児介護休業法における企業の対応 その3

前回に引き続き、制度の各ポイントをご紹介します。

介護休暇の新設
要介護状態にある対象家族の介護や世話する労働者は、事業主に申し出ることにより、1年度において5日(介護や世話をする対象家族が2人以上の場合は10日)の介護休暇を取得することができるようになりました。

要介護状態とは、肉体的・精神的な障害により2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態を言います。
また、対象家族とは、配偶者、父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫、配偶者の父母を言います(祖父母、兄弟姉妹、孫については同居し扶養していることが条件です)。

このように介護を要する家族を世話する労働者は介護休暇を取得することができようになったわけですが、介護休暇は新設された制度ですので、既存の労働者の権利である有給休暇とは別に与える必要があります。
また、育児介護休業法の中には、もともと「介護休業」という制度もあります。こちらは長期的な休暇を予定した制度なのに対し、新設された介護休暇は短期的な休暇の要望に対応するものです。

どちらも家族の介護のための休暇制度ですが、企業としてはそれぞれの違いを理解したうえで運用していく必要があります。
介護休暇も原則としてすべての労働者が対象ですが、次の者は除外されます。

これまでの制度と同様、やはり労使協定でしか対象外とすることができない者がいることに注意が必要です。
特に高齢者に対する介護が社会的に広がっている現状を鑑みると、今後は介護休暇の需要も高まるものと思われます。
対象者が介護休暇を請求したときにスムーズに対応できるように、制度の内容をしっかり理解しておいて下さい。

以上、3回に渡って改正育児介護休業法のポイントを説明してきましたが、ここで説明した改正点に限らず、育児介護休業法の規定は単に運用されているのみでは不十分です。就業規則等に規定されたうえで、企業内で制度化されている必要があります。
また、不就労部分(短時間勤務制度における短縮部分や介護休暇を取得した日)の賃金については無給でも構いませんが、これも就業規則等で明記しておく必要があります。

これを期に現行法に則した形で就業規則を見直し、人事労務担当者は制度の趣旨や内容を理解したうえで従業員へ説明できるように準備しておく必要があるように思います。

人事労務のご相談・労働社会保険の手続きならコンパッソ社会保険労務士法人まで
電話:044-733-8748(電話相談無料)

コンパッソ社会保険労務士法人 特定社会保険労務士 横尾健司

 

この記事について評価にご協力ください
  •  参考になった 
  •  わかりにくかった 
  •  全く参考にならなかった 
  •  探していた記事と違った 

この投稿へのトラックバック

トラックバックはありません。


関連記事

■労働基準法上の休日について

■中年層の人材活用

■通勤途中での自転車事故

■成年後見制度の現在とこれから

■社会保険に加入しなくても良い役員の判断基準