妊娠降格訴訟 「明確な同意がない限り違法」最高裁が初判断

明確な同意なく妊娠を理由に降格させることは、男女雇用機会均等法で禁止されている「妊娠、出産等を理由とする不利益取扱い」にあたり原則として違法であるとの判断を、初めて最高裁が示しました。

裁判の概要は、副主任として病院で勤務していた女性が、妊娠を理由として負担の軽い業務への配置転換を希望したところ、新たな業務に就く際に降格となり副主任のポストを失ったことは違法だとして、病院側に慰謝料などを求めたものです。

1審・2審では降格に関して本人の同意があったことを重視し、女性側の敗訴となりましたが、最高裁では本人の同意は真意によるものではなかったとして2審判決を破棄し、審理を高裁に差し戻す判決を出しました(女性側が逆転勝訴となる公算が高いようです)。
また、妊娠・出産等を理由とした不利益な処遇が違法とならない例外は、「自由な意思に基づいて本人が同意している場合」と「業務上の必要性など特段の事情がある場合」に限るとの基準も明示されました。

男女雇用機会均等法は、正式には「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保に関する法律」といい、制定当初は女性に対する差別を禁止することが目的でしたが、平成19年の改正により男女双方に対する差別を禁止することが目的となり、間接差別の禁止、セクシュアルハラスメント対策、母性の健康管理措置などとともに、「妊娠・出産・産休取得を理由とする不利益取扱いの禁止」も規定されました。

ただ、改正法施行後も妊娠・出産で業務の軽減等の措置を求めた際に処遇が低下する事例はまだまだ多いと言われており、法の趣旨が社会に完全に浸透するには時間がかかると想定されていましたが、今回の最高裁判決により問題解消への取り組み方を再検討する動きが加速するのではないでしょうか。

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コンパッソ社会保険労務士法人 社会保険労務士 西山史洋

 

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