外国人の労働者の雇用に関する運用や注意点

 近年、日本国内では飲食店などのサービス業や建設業を中心に、外国人労働者を見かけることが多くなってきました。少子高齢化によって、労働者の人口がますます減っていく日本の企業にとって、外国人労働者の存在は今後より貴重な存在になっていくでしょう。また日本国内では、外国人労働者の受け入れ環境も徐々に整備されてきており、労働力としての期待が大きいと言えます。
 そんな外国人労働者の雇用は、雇用後のトラブルも少なくないのが現状ですが、国籍に関わらず勤労意欲の高い若い人材を雇用できることは企業にとって非常に大きなメリットであります。今後も増え続ける外国人労働者の雇用を検討されている経営者様にとって、どのように管理していくのか、また労務管理上の注意点はどのようなものがあるのかご紹介していきたいと思います。
 
⒈ 外国人労働者を受け入れる際に初めに確認しなければならない在留カードについて
 外国人労働者を雇用する際、まず初めに確認しなければならないのが、その外国人労働者は就労ができる在留資格を有しているかということです。その方法は、在留カード(又は特別永住者証明書)の内容を確認することです。在留カードとは、基本的に日本で3か月以上の在留期間が認められている外国人に対して交付されるカードで、日本で行う就労内容に合った在留資格が記入されています。現在、在留資格は27種類ありますが、就労の可否に着目すると次の3種類に大別できます。① 原則として就労が認められない在留資格、② 決められた仕事の範囲で就労ができる在留資格、③ 範囲に制限なく働ける在留資格の3タイプです。
 つまり外国人労働者を受け入れるとなった場合、在留資格を有しておりかつ、範囲内の職種であることが大前提となり、それに加えて、在留期間がいつまでかを確認し、雇用期間と照らし合わせることも必要になります。 万が一、この工程を踏まずに不法就労が発覚した場合は、雇用している企業も罰則の対象となり、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその両方が科せられます。
※外国人留学生の就労について
 留学生の在留資格は①にあたり、そのままの在留資格では働くことができません。しかし「資格外活動許可」を申請し、許可を受けている留学生であれば、アルバイトなどで雇用することが可能になります。その際は、パスポートに許可証印又は「資格外活動許可書」が交付されていますので、ご確認ください。なお留学生などについては、労働時間などに一定の制限がありますのでご注意ください。
⒉ 外国人労働者を雇用の際、必要となる届出
 正社員や契約社員などに限らず、アルバイトでも、外国人労働者を雇用した場合及び離職した場合には、ハローワークに必ず「外国人雇用状況の届出」を提出しなければなりません。もし届出を提出しなかったり、虚偽の申告をした場合には、刑罰の対象(30万円以下の罰金を支払うケースもあります)となりますのでご注意ください。ちなみに、外国人労働者が雇用保険の被保険者となる場合には、届け出の書類の書式や書類の届け出期限、届出先となるハローワークも違いますのでご注意ください。
※常時10人以上の外国人労働者を使用する場合
 外国人労働者雇用労務責任者を選任しなければなりません。外国人労働者の雇用や労働条件などに関する事項についての管理や、関係行政機関との連絡など、外国人労働者の雇用労務管理を担当します。原則として管理職(人事労務課長など)から選任することとされています。
⒊ 外国人労働者を雇用した際のトラブルについて
 日本人と外国人労働者では労働慣例も違いますから、予期せぬトラブルが起きることもあります。トラブルの相談事項として多いのが、賃金、解雇などの契約一般について、また労災請求に関するものです。経営者は、これらのトラブルがあることを理解し、未然に防ぐ取り組みをする必要があります。業務をマニュアル化したり、コミュニケーション不足の解消などの日常的な労務管理や、雇用契約書の作成時により明確に分かりやすく作成することで多くのトラブルを防ぐ可能性があります。
 
 外国人労働者の雇用は、それぞれの企業にとってメリット・デメリットがあると思います。運用の際には、企業にとってのメリットとその注意点を再認識する必要がありますが、冒頭で述べたように外国人労働者の雇用は今後増えていく可能性が高いため、雇用にお悩みの経営者は、外国人労働者の現状を把握した上で、ご検討してみてはいかがでしょうか。ハローワークなどで外国人雇用管理アドバイザーによる相談が無料で実施されておりますのでそちらもご活用していただければと思います。

渋谷事務所 松岡孝明

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