労働契約法改正のポイントと対応 その1

期間の定めのある労働契約(以下、「有期労働契約」という)は、パートや派遣をはじめとする、いわゆる正社員以外の労働形態に多く見られる労働契約で、全国で約1,200万人と推計されます。
この有期労働契約で働く人の約3割が、通算5年を超えて有期労働契約を繰り返し更新している実態にあり、その下で生じる雇止めの不安の解消が課題となっています。また有期労働契約であることを理由に不合理な労働条件が定められてしまうことも現実として存在します。
こうした問題に対応するため「労働契約法の一部を改正する法律」が平成24年8月10日に公布され、有期労働契約について3つのルールが新たに規定されました。
そこで、改正労働契約法のポイントと対応について3回に渡ってご説明いたします。

3つのルール
1.雇止め法理の法定化(平成24年8月10日)
2.無期労働契約への転換(平成25年4月1日)
3.不合理な労働条件の禁止(平成25年4月1日)   ※()内は施行期日

雇止め法理の法定化(第19条)
有期労働契約は、使用者が更新を拒否したときは、契約期間の満了により雇用が終了することになります。
例えば4月から翌年3月の1年契約で、毎年4月に更新してきていたものを更新せず、3月をもって退職とするといった場合です。これを「雇止め」といいます。

今回の改正前から、裁判所は「有期労働契約を何回も更新し事実上正社員と同じである場合」や、「長期間に渡って雇用すると期待させた場合」には、雇止めの効果を認めないとする「雇止め法理」を確立してきましたが、改正によりこの判例法理を法律化することになりました。
以前からあったルールを法律化しただけではありますが、これを契機に雇止めに関してのトラブルが増加することが予想されます。企業として、業務量の変動に適切に応じた人員配置を行いたい場合、この「雇止め法理」が適用されないよう有期契約労働者の管理をしっかりと行わなければなりません。

企業の対応としては、初回の有期雇用契約書などにおいて、
  ・更新の回数や通算更新期間の上限を設定し雇止めの可能性があることを明示しておくこと、
  ・長期間に渡って雇用すると期待させるような言動を避けること、
  ・契約更新の際の判断基準や手順についてきちんとしたルールを設け、無期労働契約との違いを明確にしておくこと
などが考えられます。

次回は2つ目のルール「無期労働契約への転換」をご紹介します。

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コンパッソ社会保険労務士法人 特定社会保険労務士 西山史洋

 

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