労働基準法上の休日について

 最近、大手広告代理店の長時間労働問題に端を発して労働時間の上限規制が議論され、法制化される見通しです。労働時間の上限を定めることは、いつ労働しないか=いつが休日か、ということであり、休日を定めることにほかなりません。今回は休日について取り上げたいと思います。
 休日とは、労働契約上、労働義務のない日をいいます。
 労働基準法上最低限与えなければならない休日の日数は、毎週少なくとも1日か、4週間を通じて4日以上です。4週4日制はあくまで例外であり、「4週間」の起算日を就業規則等により明らかにする必要があります。

●「法定休日」と「所定休日」の相違点
 法定休日とは,労基法35条が定めた毎週少なくとも1日は与えなければならない休日のことです。
 所定休日とは,法定休日ではない労働契約上の休日のことです。
 例えば,週休2日制の会社の場合,法定休日ではない休日が所定休日に当たります。
 どちらの休日を法定休日にするかについて労働基準法上定めはありません。判例では暦週(日曜から土曜の7日間)において、1日も休日のなかった場合の割増賃金計算では、最も後順に位置する日を法定休日(つまり土曜日)とする(H20.1.28日本マクドナルド事件)と判断したものもあれば、旧来からの休日である日曜が法定休日であると解するのが一般的な社会通念に合致する(H23.12.27 HSBCサービシーズジャパンリミテッド賃金等請求事件)と判断したものもあります。
 下記に示す通り、所定休日と法定休日では割増賃金率が異なるため、無用な争いを避けるためにも就業規則等であらかじめ定めておくのが望ましいでしょう。
 法定休日に労働させた場合には,休日割増賃金3割5分以上,深夜に労働させた場合には深夜割増賃金2割5分以上の支払が必要です。
 所定休日に労働させた場合には,1日8時間又は週40時間を超えた時間について時間外割増賃金2割5分以上,深夜に労働させた場合には深夜割増賃金2割5分以上の支払が必要です。
 
「休日の振替(振替休日)」と「代休」の相違点
 休日の振替とは、休日である日曜日を勤務日に変更する代わりに、勤務日である水曜日を休日とするように休日と他の勤務日をあらかじめ振り替えることをいいます。
 代休とは、休日の振替手続きをとらず、本来の休日に労働を行わせた後に、その代わりの休日を付与することをいいます。

●まとめ
 一口に休日といっても、もしその休日に労働させた場合には、法定休日か所定休日かにより、上記のように割増賃金の支払いの有無の違いや時間外・休日労働に関する労使協定(いわゆる36協定)の届出の必要が生じます。
 繁忙期や突発的な業務の発生により休日労働をさせることはやむを得ないことですが、労働基準法違反とならないために予め就業規則等への規定をしておき、実際に休日労働した場合の対応ができる体制にしておく必要があるでしょう。
 

                                       コンパッソ社会保険労務士法人 井関 広文


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