人間関係論からみる職場環境づくり

メイヨーやレスリスバーガーによって提唱された人間関係論は、ウエスタン・エレクトリック社のホーソン工場で行われたホーソン実験(1924年~1932年)から始まりました。ホーソン実験は、証明実験、リレー組立実験、面接実験、バンク配線実験の4つの実験から構成されています。

証明実験(証明の明るさと作業能率の関連性の実験)
工場内の照明を明るくした場合、逆に暗くした場合どちらの場合においても、従来より作業能率が高くなるという結果が得られました。
  →照明度と作業能率との間には、特に関連性がない

リレー組み立て実験(作業条件と作業能率の関連性の実験)
賃金、休憩時間、食事時間、工場内の温度・湿度などの条件を変えながら、6名の女性従業員が製品を組み立てる作業能率がどのように変化するかを調べました。それらの労働条件をどのように変更しても、実験が進むにつれて作業能率は高くなり、逆に、途中で元の労働条件に戻しても作業能率は上昇しました。
  →客観的な労働条件と作業能率との間には、特に関連性がない
  →作業能率は、客観的な条件よりも従業員の心理的・情緒的なものに依存するところが大きいことが判明

面接調査(監督者訓練講習用のデータ収集が目的)
延べ21126人の労働者に面接して聞き取り調査を行いました。労働者の作業はその感情から切り離すことができないこと、職場での労働者の労働意欲は、個人的な経歴や個人の職場での人間関係に大きく左右されるものであるという結果になりました。
  →客観的な労働条件以上に主観的な職場の人間関係のほうが重要ではないかという仮説

バンク配線実験(作業員同士の人間関係を調べる実験)
従業員を職種ごとにグループ分けして、バンク(電話交換機の端子)の配線作業を行わせ、その共同作業の成果を調べました。それぞれの労働者は自分の持てる力をすべて出し切るのではなく、状況や場面に応じて自発的に自ら労働量を制限していることが分かりました。また、品質検査では、上司の検査官と労働者との間に良好な人間関係があるほうが、より欠陥やミスの少ない製品を製造できることも分かりました。
  →作業能率の違いは、労働者の能力上の差異によるものではない

人間関係論では、作業能率は、照明、賃金、休憩などの物理的な労働条件ではなく、作業者の心理的、情緒的なものに依存していること。また、従業員の間には、自然発生的にインフォーマル組織が形成され、インフォーマル組織内の仲間意識が作業能率に大きく影響していることなどが指摘されています。

これら実験に基づくと、組織における仲間意識(インフォーマル組織)の重要性があげられます。それらの構築方法の一部として、「人間関係重視した管理者教育」、「 カウンセリングの充実・メンタルヘルス相談窓口などの設置」、「職場におけるコミュニケーションの促進(上司・部下間の業務連絡、同期社員同士の会話、会社全体で行われる朝礼など)」などが考えられます。
今一度、社内における従業員の方々の職場環境を再確認し、より充実した職場環境づくりを目指していきましょう。

出典:白桃書房「新訂経営管理論」占部 都美著

人事労務のご相談・労働社会保険の手続きならコンパッソ社会保険労務士法人まで
電話:044-733-8748(電話相談無料)

コンパッソ社会保険労務士法人 社会保険労務士 藤本豪

 

この投稿へのトラックバック

トラックバックはありません。