マタハラ防止義務化か

以前、当ブログ(妊娠降格訴訟「明確な同意がない限り違法」最高裁が初判断)でもご紹介しましたが、副主任として病院で勤務していた女性が、妊娠を理由として降格されたことが男女雇用機会均等法に違反しているとして病院側に慰謝料などを求めた裁判で、高裁は「降格は違法」とし、慰謝料などを含めてほぼ原告の請求通りの賠償金の支払いを病院側に命じる判決を出しました。

この裁判では1審・2審で女性側が一旦敗訴となっていましたが、最高裁において2審判決を破棄し、審理を高裁に差し戻す判決を出しておりました。審理を高裁に差し戻したことで女性側の逆転勝訴となる公算が高いとされておりましたが、その通りの結果となったようです。

またこの裁判では、最高裁が「妊娠による降格は原則禁止で、自由意思に基づいて本人が同意しているか、業務上の必要性など特殊事情がなければ違法で無効である」との初判断を示しており、社会問題化しているマタニティハラスメント(マタハラ)に関して、行政や事業主側に厳格な対応と意識改革を迫るものとなりました。

このような流れを受け、厚生労働省はマタハラ防止策の企業への義務化などを目的とした育児介護休業法と男女雇用機会均等法の改正案を国会に提出し、2017年度の実施を目指す方針のようです。

現行法においては、妊娠や出産、育児を理由として解雇や降格などの不利益な取扱いをすることを事業主に禁止していますが、上司や同僚による嫌がらせは対象外となっており、マタハラ被害が減少しない要因とされていました。そのため改正案では、「マタハラに対する相談窓口を社内に設置すること」や、「上司や同僚に研修を受けさせること」を事業主に義務づけることで、企業全体でマタハラ防止に取り組むことができる仕組みを作っていくようです。

少子高齢化が進む中、働く女性を増やし、労働力人口の減少を食い止めて、経済成長につなげようという今の日本では、今後もマタハラ問題は避けては通れない問題であると思いますので、今後の動向には引き続き注視する必要がありそうです。

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コンパッソ社会保険労務士法人 社会保険労務士 西山史洋

 

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