事業承継~目に見えにくい経営資源を考える~

高齢化社会の昨今、自治体レベルでも社長の年齢を調査する動きが出てきました。
大方の予想通り、60歳代~80歳代と回答する事業主が多くいます。
そうなると当然、今後の事を考え事業を続けるか、廃業(休業)するか、お悩みの方もたくさんいることでしょう。
事業を続けるにしても、廃業するにしても、経営者の方々が今まで培ってきた技術・知識・経験・機材をなくすような事があるならば、それは日本全体の損失といっても過言ではないと思います。
そのような事から、社長・承継者・従業員が自社の魅力(強み)を考える事により、会社の将来像を描いていければ、今後どのような会社を創り上げていくのかが明確になるのではないでしょうか。

自社の強みを洗い出す進め方として、次の3点が挙げられます。

1、客観的視点をもって自社で考えてみる
2、顧客・取引先に聞いてみる
3、専門家・金融機関等に聞いてみる

まずは、自社で考えてみる事です。
社長は社長で、従業員は従業員で認識している自社の強みがあるかもしれません。
これらを両者が共有することで、視野が広がると共に相互理解が深まる事にもなります。

また、外部にも意見を求める事です。
自社の強みは、案外自分達で分かっていない事が多くあります。
ここを掴み、活用していけるようになれば、業績にも好影響を与えていく可能性があります。
これらをまとめた結果、自社で考える強みと外部が考える魅力との差異はどうか、何が強みで課題は何かが見えてくるかもしれません。

次に、事業環境の変化と自社の強みとの合流点を見つけていきます。
今までも、これからも、消費者ニーズは変化していきます。
その中で自社が生き残っていくために、下記の様な事を考え、自社の将来像をイメージしてみてください。

1、どのように自社の強みを活かすか
2、どのような商品・サービスを提供していくのか
3、既存の商品・サービスをどう変化・成長させていくのか

これらをいきなり文字や数字で考えるのではなく、大枠をイメージします。
その上で、イメージが実現した時の具体的な数字を、下記の項目毎に書き出していくといった手順で進めてください。

(業績)売上高や利益高
(人的資本)後継者の姿勢・社員数
(モノ・サービス)販売している商品
(財務資本)現金資金・資産額
(知識・技術)主なスキル・ノウハウ
(ビジネスパートナー)仕入先等・協力会社との関係
(顧客)顧客数・売上割合
(組織)人事制度・職場環境・人間関係

このような観点からも、事業承継にはかなりの時間がかかると言われています。
事業承継も考えていきながら、自社の強みを洗い出しつつ、今後の事業展開の一助になればと思います。

 

参考:西浦善彦・高村健一・坂井隆浩・垂水克己『実務&コンサルのプロによる間違わない!事業承継Q&A』清文社、2017年4月発行
山本 珠美
千葉流山事務所


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