実家の不動産、どうしますか?

少子化が進み出生率が1.4人となれば3人に2人は第一子、多くは長男と長女が結婚することになります。都心に暮らす地方出身者同士が結婚して数十年後、子供達も家を離れ、夫婦が暮らしている家と夫の実家、妻の実家、と不動産を持て余してしまっている状況、結構あるのではないでしょうか。
特に地方にある実家は放っておくと固定資産税を払うだけの負の資産となってしまいます。「実家の不動産」にどのような対処方法があるか可能性を探ってみます。

「保有」する場合
土地の有効活用といえば一番に思い浮かぶのはアパートを建てることでしょうか。しかしこれを実行してうまくいくのはおそらく首都圏通勤圏内の一部でしょう。
例えば容積率100%の200㎡の土地に、20㎡ワンルーム10戸の木造アパートを3000万円4%フルローンで建ててみます。

1年間で借入返済(元金と利息)240万円・管理費は家賃収入の5%・入居率90%として簡単に計算してみると、1戸6万円ならば固定資産税を支払った後、300万円程手元に残りそうです。しかし地方によっては家賃が恐ろしく安価です。家賃が半分になれば手元に数十万円残るかどうかです。ただしこれは入居率がずっと90%キープできればの話ですし、今後建築費の上昇も考えられます。

では、現状のまま実家を貸すのはどうでしょう。
借り手が居るか居ないかで入居率100%か0%、安定感はありません。ただ、初期投資が少なくて済むので、固定資産税だけまかなえれば良いなら可能性はありそうです。

また、最近では高齢者向け施設の賃貸も増えているようです。
有料老人ホーム・サービス付高齢者向け住宅を建てて、20年とか25年の返済期間と同じ期間で一括借り上げしてもらうなどの方法です。一般の賃貸物件より利回りは低いようですが、安定した家賃収入が見込まれるのが利点ですし、入居者の数も不足ないでしょう。

無料でもいいから使ってもらいたいというなら、社会福祉法人等が利用するために土地を無償で貸して固定資産税を非課税にするというのも一つの方法です。

その他、自治会や市町村のコミュニティ施設・集会所として貸したり、駐車場やコインランドリーといった使い方もあります。地方では車は一家でなく一人に一台です。需要はありそうです。

「売却」する場合
代々暮らしてきたなじみ深い土地を涙を呑んで手放す。しかしこれがまた難しいのです。売買契約や引き渡しには立ち合いが必須ですから、現住所地と実家が遠いほど時間と費用がかかります。市場価格の相場も読みづらいので、売り出し価格にも悩むでしょう。また、境界のはっきりしていない土地や、建築に必要な接道ができていない土地も多くあります。

「何もしない」場合
もちろん「何もしない」という手もありますが、人の住んでいない建物は傷みやすく、空き家にしろ空き地にしろ、ご近所には迷惑でしょう。

実家の不動産と一口に言っても、その地域や立地条件によって最善の方法は変わってきます。地方でもアパート経営に成功する土地もあるかもしれません。不動産に絡んでは、何をするにも複雑な手続きが必要であったり、予期せぬ税金が発生したりもします。思わぬ不利益が及ばぬよう、専門家に相談するなど事前の検討が賢明でしょう。

横浜青葉事務所 山崎智津子

 

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