連絡が取れない少数株主から株式を買い取る方法

連絡が取れない少数株主

上場企業でなくても歴史が古い企業などでは、株主が多数存在することがあります。
例えば、地域のインフラ的事業を行っている企業、過去にIPOを目指した経緯がある企業、協同組合等の関係者が皆で設立した企業などです。

この場合、株主が100名以上存在することが一般的であるため、その株主管理は煩雑となります。
特に株主に相続が発生した場合は株主名簿の書換えがうまくなされず、書類を送付しても所在不明で返ってくる、その他の連絡手段も分からない・・・という状態に陥ることもあります。
株主整理を行う場合において、買取りたくてもどうしたらよいか分からない。このまま放っておくしか手段はないのかとのお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

解決方法はある
会社法197条にはそのような場合の解決方法が定められています。
要約すると次のとおりです。
「株式会社は、一定の所在不明株主の所有する株式を、裁判所の許可を得て、他者へ売却または自社で買い取ることができる。」

官報で公告したり、株価鑑定をしたり、法務局へ売却(買取)代金を供託したりとすべきことは多いのですが、今回はこの手続きの一番の肝である対象となる株主の要件とその証明について絞って記載します。

5年間連絡が取れなければ・・・
対象となる株主については、次の2つの要件を満たしている必要があります。
1、株主に対してする通知または催告が、5年以上継続して到達しなかった
2、その株主が、継続して5年間剰余金の配当を受領しなかった

この事実を証明するために、裁判所に次の資料を提出する必要があります。
1、5年間分の株主総会招集通知書および返戻封筒
2、5年間分の剰余金配当送金通知書および返戻封筒

この「5年間継続して到達しなかった」という事実の証明には上記の資料以外は認められていません。
したがって、現在お手許に5年間継続して戻ってきてしまった返戻封筒を保管されていない場合は、すぐには手続きができないということになります。
この手続きをご検討の方は、時間はかかりますがとりあえずこの資料の収集を行う必要があります。

弊社ではこの手続きに必要な株価算定も行っております。また、ご不明点などございましたら、お気軽にご相談ください。

渋谷事務所 資産部 加藤義隆

参考:
裁判所HP http://www.courts.go.jp/tokyo/saiban/dai8bu_osirase/fumei_kabunusi/index.html


関連記事

■ふるさと納税を被災地へ

■値引き処理をする際の消費税の注意点

■免税店の免税販売手続きの電子化について

■消費税の軽減税率制度の実施に伴う価格表示について②

■海外出張に関する労務