禅と美しい所作について

所作」という言葉を久しぶりに聞きました。
聞いたと言うよりは、目にしたというのが正しいのですが、偶然本屋で見かけた本の題名に惹かれ、思わず手に取ってそのままレジに向かってしまいました。その本の題名は『禅が教えてくれる美しい人をつくる「所作」の基本』。禅僧でいらっしゃる枡野俊明(ますの しゅんみょう)さんがお書きになったものです。「所作」という格式の高そうな言葉に、“美しい人をつくる”という魅力的な言葉まで加わっているのですから買わない訳にはいきません。まんまと著者と出版社の狙いにはまってしまったのです。

この最近では殆ど耳にしなくなった「所作」という言葉の意味は、みなさんご存知の通り「立ち居振舞い」のことです。
単純に立ったり座ったり、体を動かしたりといった動作のことだけを指しているわけではなく、私達の言葉遣いや姿勢(佇まい)、礼儀やお客様のおもてなし、仕事や健康、そしてその人の心にまで関わってくるものなのだという事をこの本を通して知りました。

禅の言葉で「威儀即仏法 作法是宗旨(いぎそくぶつほう さほうこれしゅうし)」という言葉があります。すべての動作について、礼儀作法にかなった身のこなしをすることがそのまま仏法で、日常生活の立ち居振舞いそのものを整えることが、そのまま禅の修行であるという意味だそうです。
禅は、立っても座っても、寝ても歩いても・・・すなわち、人間の立ち居振る舞いそのものが、すべて修行ということで、言い方を変えれば、禅の修行とは、私たちの「所作のすべてを整えること」なのだそうです。

立ち居振る舞いが乱れていると、心も乱れ、自然と言葉づかいも乱れてくる。日々の何気ない動作の中で“美しい”と言われる所作を身につけることで心まで美しくなると桝野さんはおっしゃっています。
更に、最近の日本人は、自分達の権利ばかりを主張する人達が多くなり、「日本人の美徳であった慎ましさや謙虚さというものが、急速に失われてしまった」と。その結果、「所作が乱れてしまっている」ともおっしゃっています。

禅の修行というと、特別な場所に行って特別なことを行うものとばかり思っていましたが、実はそうではないようです。何気ない日々の生活も修行であることを常に意識して、「美しい所作の人」と言われるように努力していきたいと思いました。

出典:幻冬舎「美しい人をつくる「所作」の基本」枡野 俊明著

流山事務所 石山惠子

 

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