生産性分析からみるセールスミックス

経営分析には収益性分析、安全性分析、生産性分析、損益分岐点分析など様々な分析の方法がありますが、今回は簡単な例を使って生産効率の見直し(生産性分析)からみるセールスミックスについてご紹介します。

セールスミックスとは?
セールスミックスとは、製品の生産量や販売量の組み合わせのことを言います。

X社の例
まずは例題をご覧ください。

X社では上記の表の通り、製品Aと製品Bを製造・販売しています。
製品1個当たりの利益率は、製品Aは30%、製品Bは40%で、製品Bの方が高くなっています。従いまして、製品Bをよりたくさん売った方が会社は儲かるということになります。

製造における制約例
しかし製品を製造・販売するには様々な制約条件があります。
ここで製造における制約の1例を挙げてみたいと思います。

X社には加工担当のYさんと組立担当のNさんがいます。
加工担当のYさんは製品Aを加工するのに3時間、製品Bを加工するのに2時間かかり、年間の生産能力は2400時間です。
組立担当のNさんは製品Aを組み立てるのに1時間、製品Bを組み立てるのに2時間かかり、年間の生産能力は1200時間です。

このデータを基に考えると、
製品Aのみを製造した場合は800個まで作ることができ、
製品Bのみを製造した場合は600個まで作ることができます。

しかし、
製品Aのみを製造した場合、組立担当のNさんは年間で400時間(1200時間-1時間×800個)も空き時間ができてしまい、
製品Bのみを製造した場合、加工担当のYさんは年間で1200時間(2400時間-2時間×600個)も空き時間ができてしまいます。

そこで、YさんとNさんにお互いの空き時間ができないよう、製品Aと製品Bの製造方法を考えてみると、

(加工)3x+2y=2400時間
(組立)X+2y=1200時間

(製品Aの個数)x=600個
(製品Bの個数)y=300個

となります。これでYさんとNさんは空き時間がなくなりました。

製品のセールスミックスによる利益の違い
製品Aと製品Bのセールスミックスにおける利益の違いを見てみましょう。

1.製品Aが800個、製品Bが0個の場合
   800個×3,000円=240万円
2.製品Aが0個、製品Bが600個の場合
   600個×5,000円=300万円
3.製品Aが600個、製品Bが300個の場合
600個×3,000円+300×5,000円=330万円

なんと生産効率を見直すだけでもこれだけの差がついてしまいました。

まとめ
上記の例の通り、製品を製造・販売する上で、利益率だけを見た上で計画を立てると、かえって全体の利益率を落とす場合があります。
製造・販売する製品のセールスミックスも一つの検討事項に挙げてみたらいかがでしょうか?

上記の例では生産効率に着目しましたが、制約条件は他にも「販売競争の激化による販売価格の値下げ」や「市場占拠率による需要限度」など様々なものがあります。
目まぐるしく変わる経営環境の中、1つのことを色々な角度から見る柔軟性が必要とされます。
経営分析や経営計画の策定等でお困りのことがございましたら、コンパッソ税理士法人までお気軽にご相談ください。

渋谷事務所 清水嘉仁

 

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