業務の社内オークション

あなたの仕事はどのように発生しますか? 上司からの指示ですか? それとも自分で作り出していますか?
今回は、社内で仕事のオークションを行うというユニークな仕組みを実践している企業をご紹介します。

みなさんは「ディスコ」という会社をご存知ですか? 踊る場所ではありませんよ。半導体関連の精密加工装置を製作し、トップシェアを握る今注目のメーカーです。TVや雑誌等で何度か取り上げられたことがあるこのディスコという会社、技術力の高さもさることながら、独自の「アメーバ経営」を実践し、注目を浴びています。
アメーバ経営」といえば、京セラ創業者の稲盛和夫氏が有名ですが、ディスコの関家社長は、「環境変化が激しいこの時代を乗り切るために、従業員の行動変化を促す仕組みが必要」と考え、独自の「アメーバ経営」を編み出しました。

この独自のアメーバ経営は、「WILL会計」という内部管理制度という形になっています。
WILL会計」の中で特徴的な仕組みをいくつかご紹介すると、
●「個人WILL」 : 業務に値段をつけて、社員の収入と支出を可視化する仕組み。
●「仮想通貨DISCA」 : 社内で使える仮想通貨。主に福利厚生的なものを対象。
●「痛み課金」 : 他部署に迷惑をかけた場合に支払う迷惑料(罰金)。
●「WILL報奨」 : 他部署に恩恵を与えた場合に支払われる報奨金。
などがありますが、その中でも特に私が感心したのが「社内オークション」です。

社内オークション」とは、その名のとおり、社内で業務の「競り」を行うということです。例えばアプリケーション事業部という部署では、下記のような社内オークションが毎日行われています。

ミーティングが始まると大きめの付箋紙のような紙がいくつか貼られたボートの前に社員が集まります。この紙には、顧客名、期日、作業内容、金額等が書かれています。
司会役のリーダーが、1枚の紙を読み上げると、社員は「期日が短い」や「金額が安い」など思い思い口にしながらも、自分がやりたいと思ったら、挙手をします。他に挙手する社員がいなかったら、この業務は「落札」です。
リーダーはその紙に、挙手した社員の名前を書きこみ、次の紙に移ります。全ての紙が終わるまで、この「オークション」を繰り返し、終われば解散です。例えば紙が15枚前後だと、10分ぐらいで終わります。

このような形で社内オークションが行われますが、以下のような効果が考えられます。
自分が経験していない仕事にチャンレンジできる
自分が決めて落札した仕事なので期日を守る
オークションの場に居れば、チャンスは公平なので不平不満が減る
などです。

この他にディスコでは、条件が厳しい内容(期日が短くて、金額が安いなど)のものは、みんなが避けるため、顧客に迷惑をかけられない営業担当が金額を上げざる得ないなどの「駆け引き」が起こっているそうです。また、このオークションは、直接部門(売上に直接影響する部署)間でのやりとりだけでなく、間接部門(売上に直接影響しない部署)とのやりとりにも活用されているそうです。社内全体で、「自分で自分の仕事を選ぶ」仕組みが行われているということです。

もちろんえり好みをばかりしていると、人間関係が悪くなってしまうかもしれませんし、長い目でみると、幅が無い業務知識や経験になってしまうため、大人の対応も必要になってくるでしょう。

社内オークションにはメリット・デメリットもあり、業種や職種によっては馴染まないものもあると思います。しかし、社員が自分の将来設計を考えながら、自分で仕事を選択するという方法は、社員の行動改革のために、ひとつの有効な手段だと思います。
みなさんも社内で活用できるか考えられてみてはいかがでしょうか?

渋谷事務所 三上吉昭

 

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