景気とGDP、GDPデフレータについて

平成28年9月8日「GDP実質成長率、年率0.7%増に上方修正」という見出しのニュースを見ました。景気回復に向けた好印象なニュースですが、ところでGDPって何を表しているのでしょうか。

GDPとは、Gross(総計)Domestic(国内の)Product(生産)の略で、日本語では「国内総生産」と言われます。国内総生産とは「一定期間に国内で生産された財貨・サービスの価値額の合計」という意味を指し、くだけた言い方をすれば「国内での儲けのトータル」になります。

「GDPが上がっているので、景気が良くなっている」そういう印象を受けます。それは決して間違いとは言えませんが、景気を考えるにはもう少し理解を深める必要があります。
GDP、GDPと言いますが、実はGDPには大きく意味の違う「名目GDP」と「実質GDP」というものが存在します。

名目GDP> 価格変動込みのGDP
去年、商品を100万個作って100円で売った → 生産額1億円
今年、商品を120万個作って110円で売った → 生産額1.32億円
GDPは32%増加。

実質GDP>価格変動が無かったものとしたGDP
去年、商品を100万個作って100円で売った → 生産額1億円
今年、商品を120万個作って110円で売ったけど、価格変動を考慮すると正しい生産額の比較ができないため去年の価格で計算120万個×100円 → 生産額1.2億円
GDPは20%増加。

テレビや新聞などで取り上げられているのは、通常、実質GDPであり、1行目で紹介したニュースにある「GDP実質成長率」とは、「実質GDPの成長率」のことを指しています。

さて、話を戻します。
実質GDPが上がったのに景気が良くなっていない、ということがあります。景気を考える際は、GDPデフレータというものが有用です。

GDPデフレータ = 名目GDP ÷ 実質GDP × 100
これが100以上になるとインフレ、100以下になるとデフレになります。

GDPデフレータの記録を振り返ってみると、2006年以降一度も100以上に押し返すことなく、毎年100を切っています。つまりデフレが続いているということです。
需要減退 → 物価下落 → 企業採算悪化 → リストラによる人員整理 → 所得減少 → さらなる需要減退
この負の連鎖をデフレスパイラルと言い、脱却するどころか、2006年以降一度も抵抗することもできず負の連鎖を続けていることがわかります。

テレビで「景気が良くなったと感じますか?」と街角アンケートを取っているのを目にすることがありますが、2006年以降ずっとGDPデフレータは100以下なので、景気が良くなったと感じない人が大半、という結果は目に見えている訳です。

世界的に不景気の様相が漂う昨今では、各国間の駆け引きも熾烈を極め、情勢は非常に困難であると言えるかも知れません。そんな中、消費税の増税も命題にある中で「金融緩和」「財政出動」など景気回復に向け今後も政治の手腕は問われることになります。東京オリンピックという景気回復の追い風を何とか掴みたいものです。

GDPと景気について、書いてはきましたが、経営者の皆様に置かれましては、景気に左右されない強い企業になっていただくことを願います。不景気の中でも、利益を出せる企業、凌ぎ切れる企業となるため、弊社もお力添えができればと思います。

横浜青葉事務所 菊池潤

 

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