日本政策金融公庫と商工中金の違い

「新しく会社を設立して借入をしたい」、「メインバンク以外で新規で借入をしたい」と思ったとき、まず候補に上がるのが、日本政策金融公庫商工中金などの政府系金融機関です。ただ、どちらも政府系金融機関なのだからといって中身が全く同じわけではございません。それぞれの違いを把握した上で、正しい借入をしていただくためにも今回は両者の違いについて、紹介させていただきます。

まず、日本政策金融公庫とは、庶民金庫および恩給金庫の業務を継承し、国民金融公庫法に基づいて、1949年に設立された政府系金融機関のことです。一般の金融機関から融資を受けることを困難とする国民・企業に対して融資を行い、政府の政策金融機関として、経済危機対応の融資業務であるセーフティネット貸付も行っています。
全国に152支店あり、国民生活事業、中小企業事業、農林水産事業、国際協力銀行の事業にわかれて融資制度を行っています。例えば、国民生活事業では、小規模企業向けの小口資金や教育ローンなどを取り扱い、中小企業向けの長期事業資金、農林漁業や食品産業向けの事業資金などの融資を行っています。また、保証人や担保については、相談することができます。

次に、商工中金とは、商工組合中央金庫法にもとづき1936年に設立された、中小企業を対象とする政府関係金融機関のことです。正式名称は「商工組合中央金庫」。約80%が政府出資で、その他出資資格を持つ団体からの出資で成り立ち、原則として、その出資団体や所属団体、構成員に対してのみ取引を行っています。
出資資格を持つ団体としては、中小企業等協同組合、協業組合、商工組合、商店街振興組合、生活衛生同業組合、酒造組合、酒販組合、内航海運組合、輸出組合、輸入組合、輸出入組合、市街地再開発組合などがあります。

中小企業にとって強い見方となる政府系金融機関には、日本政策金融公庫と商工中金があります。両者とも政府系金融機関であることから、政策目的に従った特別貸付制度があるという共通点があります。また、両者の違いとして代表的にあげられるのは、以下の項目となります。
    (1)日本政策金融公庫は保証協会がつかない
    (2)商工中金は預金・決済機能を有し、手形割引、短期融資を行うことができる。個人向けのローンを扱っていないだけで、他は民間金融機関と同じ機能を有している
    (3)日本政策金融公庫は中小企業しか利用できない
    (4)商工中金は上場企業でなければ、大きな会社でも融資を受けられる可能性がある
    (5)日本政策金融公庫は政府100%出資
    (6)商工中金は組合員にしか融資しない

これらの違いから、政府系金融機関である両者をうまく使う方法を考えてみます。融資を受ける中小企業からすると、商工中金は日本公庫の中小企業事業並みに融資審査のハードルが高く、しかも信用保証料が必要な場合があることから、順番としては中小企業事業の融資制度で十分な資金調達が難しい場合に、商工中金からの融資を検討してみるのが良いと思います。
(2)の預金・決済機能などは日本公庫の場合にはありませんが、民間金融機関が得意とする分野であり、敢えて商工中金を利用するメリットにはなりにくいと思います。結論としては、商工中金より先にまずは日本公庫の中小企業事業を検討してみることが優先だと思います。
  
コンパッソ税理士法人は認定支援機関となっております。新たに新規借入する際に保証料の減額や金利に引き下げのお手伝いをすることができる場合があります。 何かございましたら是非ご相談下さい。

渋谷事務所 水野良輔

  

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