忙しいのに利益が出ない? その2

前回の続きです。
前回は利益が出るラインについて、ごくごく簡単な例で確認しました。今回は、もう少し例を複雑にしてみたいと思います。

どちらが利益が出ている?
下記の2つの環境変化をそれぞれ検討してみたいと思います。

【環境変化1】
●販売価格
需要を取り込むために販売価格を12,000CPから11,500CPへと500CP値下げした。
●仕入価格
販売価格を500CP下げることもあり、仕入先にも仕入価格の交渉を行った。その結果、仕入価格を10,000CPから9,900CPへと100CP値下げしてもらった。
●店舗家賃
近隣に少し小さい店舗が空いたので、そちらへと店舗を移転したところ、家賃が月々100,000CPから90,000CPへとなり、月々のコストが10,000CP下がった。
●販売員給与
販売員の方が遠方に引っ越してしまうので、已むを得ず退職することになった。募集をかけたところ、パートタイマーで働いてくれる方が二人来てくれた。それぞれお給料は90,000CP/月であり、お二人で合計180,000CPである。結果として人件費が月々20,000CP下がった。
●販売数
販売価格を下げたことが功を奏したか、販売数は10%増え165個となった。
 
【環境変化2】
●販売価格
下記の仕入価格の上昇分の吸収と、コールセンターを設けたことによる付加価値として12,000CPから13,500CPへと値上げした。そのうち500CPは実質的な値上げ部分であり、1,000CPは仕入価格の転嫁による上昇分である。
●仕入価格
木材の需給バランスの変化により、「机」の仕入値が1,000CP上がり、11,000CPとなった。
●店舗家賃
現在の借りている店舗の収用に伴い、事務所を移転せざるを得ないこととなった。従前と同じ家賃のところを探したが、なかなか見つからず最終的に月額110,000CPの店舗を借りることとなった。月々のコストは10,000CP上がった。
●販売員給与
変化なし
●販売数
販売数は従前と変わらず月々150個である。
●運営費
コールセンターの運営に係る費用が月々30,000CP新たに発生した。

環境変化1環境変化2、どちらの方が有利になっているでしょうか?
状況をまとめると次の通りになります。

このデータを基に計算をすれば、結果は簡単に求められます。環境変化1においては6,000CP/月の赤字環境変化2では35,000CP/月の黒字です。
「感覚」と「事実」がずれているように思われた方も、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか?

今回は、「経営状況の現状把握」をテーマとして、固定費・変動費の観点から例を挙げてご紹介させて頂きました。
数字に対する経営者の皆様の感覚はとても重要であり、経営を行っていく上で、欠かせないものと思います。
しかし、昨今においては、経営を取り巻く多くの内部環境と外部環境が凄まじいスピードで変化し続けています。このような状況下においては、現状把握を的確に行うために、月次決算を行い、経営状況を客観的な数値へと落とし込むことの重要性が高まっているのも事実です。

月次決算を軌道に乗せることにより、現状把握までの時間が短縮されれば、意思決定へ向けた迅速な対応が可能になりますし、金融機関から求められる経営計画書の策定や、資金繰りの組み立てにおいても役立ちます。
月次決算の達成や経営計画の策定、資金繰り対策等でお困りのことがございましたら、コンパッソ税理士法人までお気軽にご相談ください。

渋谷事務所 川上大輔

 

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