マーケティング思考『B787に見るANA社のマーケティング戦略』

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ANAが世界に先駆けて導入した米ボーイング社の最新鋭旅客機である「B787」。先月の26日、成田空港から香港に向け初就航を行いました。何か月も前から、マスメディアでも取り上げられたので、「B787」をご存知の方も多いと思います。

この「B787」に関するANA社のマーケティング戦略は、広告宣伝における消費者の心理的プロセスをモデル化した『AIDMA』を、実にうまく当てはめているので皆様にご紹介したいと思います。

具体例を挙げる前に、『AIDMA』をご説明しておきます。
AIDMA』では、消費者がある商品を知って購入に至るまでに次のような段階があるとされています。
  Attention : 顧客の注意を引く
  Interest  : 顧客に商品・サービスを訴求し、関心をひく
  Desire   : 顧客に商品・サービスへの欲求を起こさせる
  Memory  : 顧客の記憶に強く残す
  Action   : 顧客に購買してもらう
上記の各段階に応じたマーケティング戦略が必要とされています。

では実際の「B787」における『AIDMA』を見ていきましょう。

<Attention>
B787」は、機体の70%近くを海外メーカーを含めた約70社で開発した国際共同事業で、日本でも数十社参加しており、日本企業の担当比率は35%にのぼります。これは過去最高の数字だそうです。
ANAは、ホームページで「機体の全部品の35%、主翼や接合部などの重要な部品が日本企業製であり、まさに『準国産』とも呼べる最新鋭機。ボーイング787にはANAの知恵と日本企業の技術力が詰まっている」とうたっています。
CMやホームページ、プレスリリース、雑誌等で『準国産』をキーワードに、顧客の興味を引いています。

<Interest>
ANAは「B787」の就航前から、ホームページはもちろん、facebook、twitterなどのSNSを中心に情報を発信してきました。また、「B787」が初めて日本に到着した時の模様をUSTREAMやYoutubeを使い、動画配信してきました。
その際、ホームページ、facebook、twitter、USTREAM、Youtubeを連動させているところがポイントです。うまく各情報(ホームページ、facebook、twitter、USTREAM、Youtube)に飛ばすように工夫し、興味の深掘りを狙っています。

<Desire>
ここでは、特に動画がポイントとなります。
USTREAMは生中継に向いているので、その性質を活用し、「B787」の初着陸やメディアイベントを生中継しました。
YoutubeではANAの専用チャネルを設け、先の初着陸やメディアイベントをはじめ、「B787」の開発話や機内イメージ等、多くの動画を用意して、楽しめるようにしています。
この動画を見ているうちに、段々と1度は乗ってみたいなとの欲求が出てきます。

<Memory>
ホームページ、facebookの画像、USTREAMやYoutubeの動画をふんだんに活用し、「B787」の様々な魅力を強く印象付けています。特に「B787」の専用ホームページは、シンプルかつ洗礼されたデザインで、「B787」のイメージアップを図っています。

<Action>
興味を持ち、強く印象付いていると、後でTVや雑誌等で「B787」を見ると、隠れていた欲求が顔を出し、旅行などに出てみようかと購買に気持ちが向かう可能性が高くなります。

以上のように、ANA社では、ITをうまく活用し、『AIDMA』を実践しています。
飛行機ファンならいざ知らず、出張の多いビジネスマンではない限り、日常的に飛行機を使う頻度は多くありません。世界的不景気が続く中、個人消費も落ち込んでおり、旅行者数も減少しているため、乗客も減少しています。
まずは興味を持ってもらう戦略が必要になるわけです。

ANA社に限らず、どのビジネスにおいても消費者の心理を考え、商品やサービスを購入してもらう方法を考えなかればいけません。
是非みなさまのビジネスにおいても、『AIDMA』を意識し、マーケティングされてはいかがでしょう?

渋谷事務所 三上吉昭

 

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