シンデレラストーリー

 この度の東日本大震災からの1日も早い復興を心よりお祈り申しあげるとともに、コンパッソグループも全力でご支援致します。

3月11日の未曾有の大悲劇(災害ではなく私は悲劇と言いたい)の発生後5ヶ月経過しようとしているも、明瞭な復興の姿かたちが見えてきません。被災者の方々を考えると忍びないものが迫ってきます。

長く続いていた不況の中の大震災は、日本の経済に大きな打撃を与えました。
6月24日、内閣府は東日本大震災における推計被害額の総計額を、約16兆9千億円(継続調査中)と公表しました。
しかしながらこの金額は、被災地の損壊した道路や港湾、電気やガス、水道などの社会インフラと住宅、企業の工場設備などの建物、農地などの被害額についてであって、東京電力の福島第一原子力発電所の事故や計画停電による経済活動の損失と停滞した経済活動による逸失利益は織り込まれていません。
民間企業の生産活動が停滞することによる影響から、来年度(2011年度)の生産活動は1兆2,500億~2兆7,500億円程度、縮小すると見ています。これは来年度の実質GDP成長率を0.2~0.5%程度、押し下げる規模です。

しかしながら、ピンチはチャンスです。
政府は今回の発表のなかで、民間の設備投資と公共インフラ投資を合わせた復興需要が、2011年度中は5~8兆円規模、2012年度は6~9兆5,000億円程度と見ています。
仙台ではホテルの満室が続き、飲食店は満員。道路は朝から渋滞しているそうです。
悪いこともあれば良きこともあります。被災地のみならず日本全体の未来を明るく感じさせることが起きました。
喜ばしいことです。

一つは、6月に小笠原諸島と平泉が世界遺産に認定されたことです。
平泉が指定されたことは、東北復興の希望として被災地を元気づけるものとなり、きっと復興に明るさを与えるものと期待されます。

二つ目は、なでしこジャパンのシンデレラストーリーです。
7月17日の優勝の瞬間を聞いた時に、何かこみ上げてくるもの感じたの自分一人ではないでしょう。
なでしこジャパンのシンデレラストーリーは、日本全体に大きな自信を与えるものと予感されます。ニューヨーク・タイムズ紙も「“絶対に負けない精神”を象徴するゴールだった。それはまた、破壊的な地震から立ち直りつつある日本の姿勢をも示した。」と報道しています。
試合相手の体格にはるかに差をつけられ、強豪国に比しプレー環境の恵まれていない日本チーム「なでしこジャパン」の勝因は何でしょうか。
優勝時におけるインタビュー対する沢穂希主将の答えに、そのヒントがあるものと考えられます。
みんながあきらめずに戦った結果。自分自身、最後まで走り続け、全力を出し切りました。ずっと世界一を目標にして戦ってきた。
この談話から彼女たちが持っていた高い目標意識(視点)と情熱が感じられます。

 ところで、世界遺産の中には珍しく個人の制作作品があります。それもいまだ未完成の作品です。その作品は過去・現在・未来を貫くもので、スペインの不思議な建築家と言われたアントニ・ガウデイのサクラダ・ファミリア(教会)をはじめとした作品群です。
ガウデイが話題なったのは25年程前ですが、そのスペインの昔話に煉瓦職人の話があります。
ある工事現場にさしかかった人が、3人の職人さんに「何をしているのですか」と尋ねた。すると、

一人目は、「レンガを積んでいるのさ、見ればわかるだろ!早く終わりにしたいね」 とぶっきらぼうに答えました。
二人目は、「金を稼いでるのさ、なるべく沢山(要領よく)やるように頑張っているのさ」 と忙しそうに答えました。
三人目は、「大聖堂を作っているのさ、立派なやつだよ!ありがたいことで」 と誇らしげに、そして、楽しそうに答えました。

言うまでもなく、その視点の高さ、良さがその会社を成功に導きます。
一人一人の人生も同様でしょう。

7月22日、与謝野経済財政担当相から経済財政白書が、閣議に提出されました。
そこでは、
  1.無形資産の創造的蓄積
  2.人間力が高められる社会構造づくり
が提起されています。
無形資産は目に見えないもので、「研究」と「開発」と言う人間の知恵と情熱の結果から産まれるものです。成功企業は常に高い視点と目標までやり抜く情熱を備えています。

被災地となった東日本が単なる復興、再生として元に戻るのではなく、歴史上「新生」と評価される都市づくり、社会づくりとなるべき視点を持って、復興ビジョンを策定し早期に実行してほしいものです。
今、日本人は忍耐の時から、自己のみならず他者の幸せを考えた決断と勇気をもって変化の中に飛び込むときを迎えていると考えられます。その時に必要なのは、高い視点やり抜く情熱です。

川越事務所 所長 児島昭英

 

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