「農業経営基盤強化準備金制度」が延長されます

⒈ 農業経営基盤強化準備金制度とは
 この制度は農業経営の基盤(農用地や農業機械等の取得)を強化することが目的です。青色申告をする認定農業者等の個人又は農地所有適格法人が、経営所得安定対策等の交付金を農業経営基盤強化準備金として積み立てた場合、この積立額を必要経費又は損金に算入できる制度です。積立限度額は交付を受けた水田活用直接支払交付金などを基礎として計算します。
 
 農業経営基盤強化準備金制度は、平成19年度税制改正によって創設された制度で、平成30年度税制改正で適用期限が2年延長されることとなり、平成32年3月31日までに交付を受けた交付金等が対象となりました。
 
⒉ 特例制度のメリットとは?
 特例制度を受けることにより、農業経営改善計画に従って取り崩した積立金や、受け取った交付金を使うことで、その事業年度の確定申告の際に「必要経費」又は「損金」に算入することができます。
さらに、この準備金を5年以内に取り崩し、又はその事業年度に受領した交付金を活用し、農用地等を取得し事業の用に供した場合、当該資産を「圧縮記帳」することができ、「経営規模の拡大」や「農業生産の効率化」など支援するための「所得税及び法人税の特別措置」となります。
条件として積み立てを行っていない場合は課税対象となりますので注意が必要です。
 
⒊ 適用するための手続きについて
 確定申告書に農林水産大臣の証明書を添付する必要があります。(関東農政局で受付)
 ① 証明申請書
 ② 準備金に関する計画兼実績報告書
 ③ 農業経営改善計画等の写し
 ④ 交付金の交付決定通知書の写し
 ⑤ 貸借対照表等の財務諸表(2年目以降は前年度の確定申告書の控え)
また、農用地等の取得時の証明の申請には上記書類の他に取得した固定資産の領収書等(取得した物・金額・日付)が必要です。
 個人農業で積み立てた農業経営基盤強化準備金は、相続又は個人の方が特別障害者になった時を除き、後継者となる個人・法人に引継ぐことができません。残高がある状態で事業承継や法人成すると、準備金を全額取り崩さなければならず、取崩益に課税され税負担が重くなりますので、準備金は農用地又は特定農業機械等を取得して圧縮記帳をするために取り崩してから事業承継することが必要です。
 
参考:農林水産省HP
関東農政局HP
出典:『農家の事業承継と税務対策』  共著 森 剛一・島田哲宏

千葉旭事務所 加瀬 直美

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