通勤手当で社会保険料DOWN?

とある中堅メーカーで、「通勤手当削減に取り組んでいる」という話を耳にしました。
なんでも、「普通に定期券を購入すると、会社からの支給額では足りない」とか・・・

今回は「通勤手当」にスポットを当ててみます。

切符に「お得なきっぷ」というものがあるように、実は定期券にも「お得な定期券」というものが存在します。その名は「分割定期券」。
例えば松戸駅から渋谷駅まで毎日通勤する場合、普通に定期券を発行してもらうと

【松戸←→渋谷】
1か月:17,880円
3か月:50,960円
6か月:91,510円

となりますが、それを「日暮里駅」で分割すると

【松戸←→日暮里・日暮里←→渋谷】
1か月:9,050円+7,750円=16,800円   差額1,080円
3か月:25,790円+22,110円=47,900円  差額3,060円
6か月:43,430円+37,230円=80,660円  差額10,850円

1か月で約1,000円、6か月分購入すればさらに割引率が上がります。

「わざわざ定期券2つ持つなんて面倒だよ」と思うかもしれませんが、その必要はありません。
定期券の申込用紙にある「区間」のところに通常は「松戸←→渋谷」と書きますが、
「松戸←→日暮里」「日暮里←→渋谷」と2つの区間を書いて窓口に持って行き、「分割定期にしてください」と言うだけで良いのです。
券売機による新規発券は対応していませんが、更新は券売機で可能です。

実はこれ、首都圏のサラリーマンには結構知られた裏技。節約した分で帰りに一杯…
…だったのですが、一番初めに書いたように、一部の企業では率先して分割定期券購入を推奨してその分の交通費しか支給しないところもあるようです。

それはなぜかというと、「通勤手当は社会保険の対象」だからです。
少し後に書きますが、会社は従業員の倍の額の雇用保険料を納付しています。
会社が少しでも負担を減らす努力をするのは至極当然、おそらくそういった背景があるのではないかと考えられます。

「会社が負担する分が減るだけで、別に良いことなんてないじゃないか」と思うかもしれませんが、実は通勤手当を受給する側にもメリットがあります。
会社から支給される通勤手当は、所得税と住民税は非課税ですが、通勤手当が多いと社会保険料もたくさん引かれてしまいます。

6か月の定期券を例に挙げると、10,850円の差額がある場合、

雇用保険(一般の事業の場合)
納付金額合計:98円
うち、従業員負担:33円
事業主負担:65円

健康保険・厚生年金保険(東京都・39歳以下の場合)
10,850円を6か月平均にするとひと月で約1,808円。
この1,808円で健康保険・厚生年金保険の等級がもし1つ下がったとしたら
例: 20等級:36,660円 → 19等級:33,840円 = 差額2,820円

ひと月あたりに給料から引かれる保険料が2,820円減額することになります。
ひと月3,000円近く納付金額が変わるといのは結構な差になるのではないでしょうか?
節約した分で一杯!…とはいかないのが、お小遣い制のトホホなところ…

ということで、あまり声高にいうとサラリーマンの皆さんに怒られてしまうかもしれませんが、サラリーマンのご褒美的裏技!?だった「分割定期券」という方法が実は「労使両者にとって有益な一面があった」というお得な小噺でした。

 

注)通勤路線がJRのみの定期券が対象です。

千葉流山事務所 業務2課 大池 由梨


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