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肩こりの健康への影響について

 デスクワークの副産物、習慣病ともいえる肩こりに、悩まされている人は多いのではないでしょうか。
 
 欧米の医学書に肩こりにあたる項目はなく、その原因は「不確定な自覚症状が主で多角所見に乏しい「肩こり」は、診断を重んじる西洋医学では病気として取り扱われることは少ない」とされています「(石川家明監修:40代からの首こり肩こり解消法.旬報社、東京、2003)」。
 ただ、そういった点を差し置いても、なで肩が多い体型などの環境も相まって日本人は世界で最も肩こりに悩まされている民族だというデータもあるようです。
 
 肩こりの語源は1910年に発刊された夏目漱石の「門」にある「肩が凝る」という造語であるという説があります。しかし、この説も確定的なものではなく「門」発刊と同時代に既に同じような表現があり、日本人が大正の昔から肩こりに悩まされていた時代背景が伺えます。
 
 肩こりと言えば、かつては加齢による体調の変化というイメージがありましたが近年はパソコンやスマートフォンの普及に関係して昔より若い世代、特に20代に急速に増えていっているようです。

 さて簡単に肩こりといいますが、具体的にどんな症状を指すのでしょうか。
 医学大辞典では「原因を問わず、僧帽筋を中心とした肩甲帯筋群のうっ血・浮腫により生じた同部のこり、はり、こわばり、重圧感、痛みなどの総称。高血圧、更年期障害、頚椎疾患、胸郭出口症候群、動揺肩、なで肩などが原因として考えられている」としており、日本整形外科学会ではその症状を「首すじ、首のつけ根から、肩または背中にかけて張った、凝った、痛いなどの感じがし、頭痛や吐き気を伴うもの」としています。
 要するに首から肩にかけての筋肉が緊張し、血流が悪くなった状態を表現しているのでしょう。
 肩こりの実に85%は適切な運動や治療によって回復するといわれています
 対策としては
  ・身体を冷やさないこと
  ・長時間同じ姿勢を取り続けないこと
  ・ストレスをためないこと
 などが挙げられます。

 これらの対策をしても、なかなか症状が改善しない場合、そこに他の病気が眠っていることも考えられます。
 肩こりが症状の一つとして現れる代表的な病気としては頚椎や胸椎、骨、あるいは心が関係している病気が挙げられます。特に肺に疾患のある方は、その初期症状として肩こりがあったとしている方がほとんどだそうです。また肩こりが症状として現れる病気の一つにうつ病があります。うつ病は脳の血流が悪くなることも原因の一つとしてされており、うつの患者の肩の脳をスキャンすると明らかに健常な方との血流の違いが見られるといわれています。
    
 肩こりが症状としてあげられる病気などから考えても肩こりが酷くなる原因は血流の低下が関係しているようです。
 “肩こり”で検索すると、予防の為のセルフケアが多くヒットします。定期的に運動し、筋肉をつけ、血のめぐりを悪くしないことが肩こりのみならず万病を避ける一番の方法と言えるでしょう。
   

参考:http://肩こり解消ガイド.com/

千葉旭事務所 小関咲子

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