秋の夜長に

秋の夜長に、読書と音楽を同時に楽しめる作品を紹介します。

    新潮社「小澤澤征爾さんと、音楽について話をする」小澤征爾・村上春樹著
    ユニバーサルミュージック CD「小澤征爾さんと、音楽について話をするで聴いたクラシック

この本は、2011年11月発売以来、クラシックファンのみならず、沢山の人に読まれ続け、すでに、12万部以上売り上げているベストセラーです。音楽が好きで、自称、ハルキニストの私は「待っていました!」とばかり手にしました。
文学会の巨匠、村上春樹氏の膨大なLPコレクションを聴きながら、音楽会の巨匠小澤征爾氏にインタビューする形式をとっている対談本で、同じ曲でも指揮者や演奏家よる解釈の違いや特徴なども語られており、私自身が中学時代に、同じ演目で異なる音楽家のレコードを音楽好きな友人たちと持ち寄り、聞き比べをして放課後や休日を楽しんでいたことを思い出しました。

いろいろな演奏家たちや録音されている音源の裏話が、興味深く、堅苦しくなく、涌きあがるほどに語られ、読者を飽きさせることがありません。そして、音楽について語りながら、お二人の人生観や魅力が存分に感じることが出来ます。小澤征爾氏があとがきで、「春樹さんの音楽好きは、正気の範囲をはるかに超えて」いると書いていますが、世界的なマエストロに臆することなく話が出来る造詣の深さと、音楽を生業としない素人の純粋さを読み続けていくうちに、話題にしている音楽を、まさに、このお二人が聴いているレコードで聴いてみたい衝動に駈られました。しかし、それは、あまりに潤沢であるため、いくつかのLPや再録音されたCDを所持してはいても、廃盤になっている物も多々あり、消化不良感が拭えないまま諦めかけていました。 

この本の読者は皆、同じような想いでいたのでしょうか。読者の要望に応えるためか否かは判りませんが、2013年に発売されたのが、ご紹介したCDです。本の中で語られている様々なレコードから、特に印象的な物を集めての3枚組です。
カーネギーホールでのレナード・バーンスタインの演奏前スピーチから始まる、グレン・グールドとの一触即発のブラームスピアノ協奏曲第1番、小澤征爾氏が復活を遂げた2010年のNYライブ、ボストン交響楽団とサイトウ・キネンオーケストラを比較したマーラーの巨人ベルリオーズの幻想交響曲など、語りながら聴き合った音源が沢山集められており、クラシックの初心者にも比較的なじみ深い曲が収録されているとも感じます。
CDを聴きながら、また再び本を読み返し、さらに楽しむことが出来ます。そして、そんな楽しみ方をした後は、やはり、ハイライトだけでなく、全曲を聴いてみたいという欲望が膨らみます。

秋の夜長に、皆様も是非一度この本やCDを手に取られたらいかがでしょうか?

出典:新潮社「澤征爾さんと、音楽について話をする」小澤征爾・村上春樹著
    ユニバーサルミュージック CD「小澤征爾さんと、音楽について話をするで聴いたクラシック」

川崎事務所 長谷川三千代

 

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