短期的な問題の対応に追われていると、長期的な展望を見失いやすい

洋泉社MOOK「名言に学ぶ成功の条件」の中から、スターバックスCEOハワード・シュルツ氏の取り組みをご紹介します。

シュルツ氏は28歳の時に会社を辞めました。ニューヨークの多国籍企業に勤め、副社長兼営業本部長という肩書で、高給取りの若きエリートだったにも関わらず・・・。きっかけは、仕事を通じて、小さなコーヒー小売会社の存在を知ったことでした。これがスターバックスコーヒーです。

シュルツ氏は早速改革に着手し、コーヒー豆を売るだけだった従来のスタイルからの転換を図ります。エスプレッソコーヒーを売る試みでは、売り上げを大きく伸ばしましたが、社内での軋轢は避けられませんでした。そこでシュルツはいったん独立して新会社を立ち上げて、1987年にスターバックス・コーヒーを買収しました。その後CEOとして経営手腕を発揮して、6店舗から1300店舗まで拡大させ、2万5千人もの従業員を抱える大企業
に成長させました。

そこに至るまには困難な壁も立ちはだかりました。1995年の12月がまさにそうでした。
クリスマスシーズンはコーヒー豆やエスプレッソ・マシン、チョコレート、マグカップなどで売り上げが期待できる時季でしたが、この年は売り上げがいっこうに伸びません。理由は、例年にない猛吹雪に見舞われたためで、客が店から遠ざかりました。

天候ならば仕方がない・・。そうあきらめても無理はありませんが、シュルツはすぐさま社員全員を呼んで大集会を開催。売上と利益がどれだけ落ちているのか、それがどのような影響をおよぼすかを細かく説明しました。いつも明るい話をするシュルツにとっては異例のことでしたが、それだけに現場に強い危機感を持たせることになりました。

さらに、顧客のコメントカードに寄せられている苦情を徹底改善するべく、現場を視察。地道な改善を図りながら、長期的な新製品の開発にも力を入れた結果、再び復調の波に乗ることができました。

シュルツ氏が経営者の視点について語った言葉が、「短期的な問題の対応に追われていると長期的な展望を見失いやすい」です。
目の前のことだけにとらわれずに、もっと先のことを見据えて対応する。視野を広く持ち、諦めないことが重要であることを再認識させられました。

出典:洋泉社MOOK「名言に学ぶ成功の条件」

渋谷事務所 辻畑真成