火事場の馬鹿力ってホント?

火事場の馬鹿力という言葉を聞いたことがあると思います。不幸にも火事に巻き込まれた時にとっさに信じられない力で重い金庫を運んだり、大きな梁を動かしたり。それは単なるお話の中だけのことなのでしょうか。

人が普段脳からの指令により動かしている筋肉の力は諸説あるようですが、能力の2割程度といわれています。それは常に持てる力をすべて発揮できてしまうと、筋肉自体を壊してしまうからです。そのためリミッターがかかる仕組みになっています。ではリミッターが外れてしまうのはどのような時なのでしょうか。

私たちの意思とは関係なく働き続ける鼓動や呼吸、体温維持といったものは自律神経と呼ばれる神経により司られています。この自律神経は交感神経と副交感神経という2つの系統から成り立っており、臓器や器官に対してそれぞれ逆の作用をしています。例えば運動をしている時は交感神経が活発に働くことにより心拍数が上がり、発汗したりします。また安静にしている時は副交感神経が働くことにより心拍数は下がり、逆に内蔵の働きを促すのです。

生命の危機すら感じられる場面に出くわすような急激なストレスにさらされた時、この交感神経の強い作用によって、時としてこのリミッターが外れてしまうのです。この時に発揮される、信じられないような行動が、いわゆる火事場の馬鹿力なのです。

ひるがえって私たちの属している組織はどうでしょうか。2割程度の力しか発揮していなかったら潰れてしまうかもしれませんが、常に持てる能力をフル活動していたら同じように組織自体が疲弊し、倒れてしまうかもしれません。

一定の無駄とも思える余剰の部分を保つことは、突発的な事案への対応の備えとなり、またキャパシティを超えている部門への補充要員としても、組織防衛の観点から大事なのかもしれません。

東京練馬事務所 谷野文則

  

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