漁業従事者の収入について

船を使用した漁業の収入は、漁協を通した水揚高によって決定します。千葉旭事務所の近くの銚子漁港・飯岡漁港には、銚子沖で漁獲する中型船・小型船が水揚しています。

中型船は、銚子近海で主に2艘1組で網を張り鰯や鯵などを包んで採る巻き網漁業をしています。中型船の場合、2艘合わせた乗組員は数十人になります。水揚げは、船主に株代(かぶしろ)、乗組員には人代(ひとしろ)と呼ばれる報酬で支払われます。
一般的に一人前の乗組員への報酬は均一で、まだ経験の浅い新人は7割ほどに減額されます。また、機関士・船長は、人代の4割増し~7割増しの報酬が支払われるようです。船主が個人の場合も法人の場合も、乗組員への報酬は給料として支払われ、源泉徴収されています。

小型船の乗組員は数名ですが、個々の船ごとに水揚が精算される場合と船団の総水揚が元になるプール方式を採用する場合とがあります。
ひらめ・さわらなどは刺し網という網を海の中に垂らして放置し、頭が網に刺さって抜けなくなった魚を網ごとたぐって漁獲します。船主以外の乗組員は乗り子と呼ばれ、船主も乗り子もそれぞれ網を持ち、自分自身の網にかかった魚の水揚げ金額を漁協が計算してくれます。
船主は、乗組員である乗り子に、水揚げ金額を精算の度に支払い、支払う水揚げ金額の一定割合を乗り子から手数料としてもらいます。この割合は、船によって船主と乗り子の取り決めがあるようですが、九十九里地区では昔から船主が乗り子の水揚げ金額の2割4分をもらうのが相場になっているようです。この場合の乗り子は、給与所得者ではなく、個人事業者として申告が必要です。

また、はまぐり採取の船は船団で活動しています。船に装備されたマンガンと呼ばれる大きな爪のシャベルで、はまぐりを採り、参加した船すべての水揚げをプール方式で精算します。飯岡漁港のはまぐり船は44艘ですが、週2回ほど11艘ずつ順番で船を出しています。
総水揚から、船主に支払う油代や、はまぐりを入れる袋等の消耗品費等の経費を引いた差引額を、船の数と船員の数で按分して株代(かぶしろ)と人代(ひとしろ)が決められています。

水揚明細書を確認してみると、船主に支払われる株代は約36%、人代は乗組員の報酬ですが、1人当たり約16%でした。船に乗っている船主には、1艘分水揚のおよそ半分が配分されることになります。

津波被害があった九十九里海岸ですが、漁業はほぼ被災前の状態に復興しました。自然相手の漁業は豊漁の年もあれば水揚高が激減する年もあります。そのひずみを緩和するために、変動所得の平均課税が認められているのでしょう。銚子沖産の生魚・加工品等味わっていただければ幸いです。

千葉旭事務所 大木幸子

 

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