
日本語の本来の意味を考えてみましょう その2
前回に続いて、日本語の本来の意味や言い方についてです。今回は、どちらの言い方を使いますか?です。
それではさっそく、二つの言い方のどちらを使いますか?
1.「本心でない上辺だけの巧みな言葉」を
ア.舌先三寸
イ.口先三寸
2.「何かを食べたくなる、転じて、あることをしてみようという気になる」ことを
ア.食指が動く
イ.食指をそそられる
3.「ひっきりなしに続くさま」を
ア.のべつまくなし
イ.のべつくまなし
4.「世間の人々の議論を引き起こすこと」を
ア.物議を醸す
イ.物議を呼ぶ
5.「快く承諾すること」を
ア.二つ返事
イ.一つ返事
いかがだったでしょうか?
辞書等で本来の言い方とされるものは、今回はすべて「ア」です。ちなみに、本来の言い方ではない方が多く選択されたのは、1の「舌先三寸」と5の「二つ返事」でした。本来の言い方でない「食指をそそられる」「のべつくまなし」を使うと回答した方が、それぞれ30%以上でした。
他にも、「あいそを振りまく」か「あいきょうを振りまく」、「怒り心頭に達する」か「怒り心頭に発する」、「肝に据えかねる」か「腹に据えかねる」、「口を濁す」か「言葉を濁す」というようなものもありますが、いかがですか。4つとも後者が本来の言い方とのことです。
この調査ですが、ふだんの言い方や敬語のこと、更に句読点の使い方と興味深い内容が多かったです。日本語も変化してきていると思いますが、これを機会に日本語をちょっと振り返ってみませんか。
出典:文化庁 平成23年度「国語に関する世論調査」の結果の概要
川崎事務所 中川斉