
文章力について
よい文章を書く力、言いかえれば文章力を高めるために何が必要なのでしょうか。
一つは読書だと思います。本を読むことにより、よい文章に数多く出会えるからです。テーマによっては難解なものもありますが、共通点として読みやすい文章が多いです。読みやすい文章とは、テーマが明確であること、自分の考えを組み立てる力、読み手を常に意識、理解する力、的確な表現力が組み合わさったものと言えます。
読書の時間をいかに作るか、という問題もあるでしょうが、今回はそのようなお忙しい方々へご紹介したい1冊の本があります。阿部紘久(あべひろひさ)著『文章力の基本100題』光文社です。著者は、よい文章を書く力は7つの要素から成り立っていると書いています。
1.よいテーマを見つける着想力
2.テーマに関わるさまざまな事象に連想を広げる連想力
3.その中で書くべきことを峻別する優先順位の判断力
4.書くべきことを構造的に把握する力
5.そこに自分独自の考えを加える創造性、独自性
6.読み手の立場、心情、知識レベルなどを理解する人間理解力
7.言わんとすることを、読み手に伝わる簡潔・明瞭な言葉で表現する言語表現力
著書は100の短文について改善案を考える構成になっています。さらに、55に及ぶチェックポイントをわかりやすく解説しています。自分が作成した文章を見直してみると、句読点の使い方、「てにをはの」用い方、話し言葉の使用など多くの誤りがあることに気づきました。基本的なことですが、一度作成した文章は必ず見直す癖を付けることも大切です。読んでいて、読みやすい文章か、言わんとすることが的確に表現されているかを確認することです。
文章の作成目的は、いかに自分の考えを読み手に「伝える」だけでなく、「伝わった」かが重要です。このようなことを常に心掛け、文章力向上に挑んでいきたいと思います。
出典:光文社「文章力の基本100題」阿部 紘久著