健康寿命と日常生活

健康寿命とは、厚生労働省では「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義しています。つまり人の手を借りないで、ひとりで自立した生活を送ることが出来る期間という意味です。
日本人は長寿世界一と言われて久しいですが、健康寿命となると、日本人は平均寿命よりも十歳以上も差があるのです。寝たきりであったり介護を要する期間が、つまりは十年以上もある、という意味です。確かに身近な人には、長生きをしてもらいたい。いつまでも生きていてもらいたいと思いますが、誰かの手を必要とする生活はなるべく短い方が良いとも思えます。自分が体を動かせなくなるのは辛いですし、誰かに世話をしてもらわなければ生きていけないというのも、健康な今だから思うのかもしれませんが、辛いことなのではないでしょうか。出来得ることなら、最後の瞬間まで自分の手で生活をしていきたい。長く健康でいたい。今は認知症という言葉もあちこちで耳にするようになりました。自分が、或いは自分の親が、親戚が記憶をなくしてしまうのも辛いことだと思います。

最近、自分の物忘れが気になりだしました。会話の時にすぐに言葉が出てこなくなることがふとあります。そういったことをなるべくなら早い段階から予防していきたいと思い、東北大学加齢医学研究所教授 瀧 靖之先生著「生涯健康脳」(ソレイユ出版)という本を読みました。まさに健康に長生きしたいという内容でした。内容も読みやすく、専門的な言葉は少なめながら筋道が分かりやすい。「認知症」という言葉は知っているけれども、詳しいことはあまり調べたこともないような私には、ぴったりでした。

中身としては、コミュニケーションを取る音楽を聴く、新しいことを始めること、等々知的好奇心を持って行動をすることによって、脳が活性化して萎縮を予防し、脳の神経伝達が活発になるという内容です。女性であれば「お洒落をする」と意識するだけでも違い、身なりが老け込んでいる人は、脳も老け込んでいるとのこと。確かに、ピシッと服を着こなしている人は動きも綺麗で素早く、会話も軽妙であることが多いように思いますが、しわのよった服を着ている人などは、会話もぼそぼそとしていて、聞き取りにくいことが多いように感じます。脳年齢が老けているから日常生活でも活力が足りず、より老けて見えるという悪循環に陥るのです。

認知症と脳の老化は違うそうです。そしてまさに私が不安に思っていた物忘れ、これは良性健忘であり、思考力や判断力といった認知機能の低下とは違うと書かれていました。最近は若年性アルツハイマーなどもあり、自分にその傾向が見えるのではないかと不安に思っていましたが、物忘れは認知症に代表される脳の病気ではないと明言されていました。不安が晴れ、すっきりしました。ですが物忘れ自体は、やはり加齢に伴う萎縮のために起こる現象で、健康寿命を意識せずにいられませんでした。

萎縮のない健康な脳を保つためには睡眠も大切であるということで、移動の中などでも眠ることの多い私には、朗報でした。(本の中で言っている睡眠は夜しっかりと取る睡眠のことで、転寝を指しているわけではりませんでしたが)ストレスが脳を老けさせ、睡眠がストレスを取り除くのだそうです。そして、実際に体を動かす有酸素運動をすると、海馬の体積が増えるのです。

海馬とは、記憶の出し入れをスムーズにし、その記憶自体を忘れないという機能を持つ「記憶や情動のハブ空港」とありました。運動は健康に欠かせないことは分かっている、でも激しいスポーツは苦手、なかなかジムに行く時間がない、そう思ったことはありませんか?これもまた、スポーツやジムなどでせずとも、一日30分歩くだけでも十分なのだそうです。

歩くことはしっかり呼吸をしながら継続的に酸素を体に取り込むこと。つまりは日々、自転車で移動していたところを歩きにする、買い物に行くときに少し遠回りをする、そんなことでしっかり有酸素運動が出来、海馬の体積を増やせるのです。そして海馬は何歳になっても神経細胞が生まれるので、歩いているだけで脳の委縮が緩やかになるのです。

まさに健康であるためには普段の生活を規則正しくし、楽しく過ごすだけで長く健康でいられるということなのです。私は現在、一日20分~30分のウォーキングを心がけています。今後も無理せず続けていきたいと思います。

東京練馬事務所 菅原明子

  

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