いつものパンがあなたを殺す

このようなことを言われて戸惑わないでいられるでしょうか?
これはそのものズバリ、『「いつものパン」があなたを殺す』というデイビッド・パールマター、クリスティン・ロバーグ共著(株式会社三笠書房)のタイトルです。
書かれている方が米国の方であり、内容もややパン・ジャンクフードの食事に警鐘を鳴らすことが主な日本人の食生活とはやや離れたものではありますが、パン好きな私としてはドキリとせずにはいられない一冊でした。

読み進めてみると、パンだけではなく小麦、全粒粉も勿論、二種以上の穀物を混ぜたもの、生の穀物、石うすで挽いたものまでを指します。パスタもラーメンもダメ。健康に良いものだと言われていた全粒粉の食品ですら良くないと言い切っています。つまりは毎日の食事で取るそれらグルテンを含む高タンパク質が体に危機感を齎(もたら)しているというのです。

グルテンを多量に取り続けると、頭痛やうっ血、ちょっとした風邪かと悩むような症状から、うつ病や不眠症、自閉症や統合失調症、認知症やアツルハイマー病という重篤な脳の病になる可能性がぐんと上がるといいます。

更には、実は今まで言われていた「脂肪の多い食事は体に良くない」は誤りであると著書の中で言っています。高コレステロールは体に良くないとされていたが、コレステロールは脳の重要な栄養素であり、ニューロン(神経細胞)が働くために欠かせない役割を持ちます。悪玉コレステロールですら本来は重要なタンパク質であるというのです。

研究結果として、総コレステロール値が低い人と、総コレステロール値が高い人の心臓発作や脳卒中などの死亡率に違いはないと出ています。実際には食品のコレステロールと体内のコレステロール値も関係はなく、血中コレステロールの殆どを体の中で作り出したものであり、必ずしも食べたものが反映されているわけではないといいます。

更にはコレステロールが高い人の方が優れた記憶機能を伴っていることを指摘されており、パーキンソン病もコレステロール値が低いことに強く結びついているそうです。何と高コレステロールであれば脳疾患を患うリスクが低減し、寿命が長くなるという驚きの研究結果も出ています。

ヒップに対するウエストの比率(すなわち腹部)が大きければ大きいほど、脳の記憶中枢である海馬は小さかったという研究結果も記されていました。体に余分な体重が増えるたびに、脳は小さくなるというのです。脳の前頭葉と側頭葉、つまり決断を下したり記憶を蓄積したりする場所で組織の多くが失われているという研究結果でした。

グルテンに係る具体的な内容だけかと思えば、分かりやすい症例を元に科学的な実証と併せて体内のあり方が書かれ、恐怖を覚えるような思いと共に読み進めていき、後半には一日の過ごし方や食材の選び方もあり、覚えた恐怖を多少薄めさせてくれました。
最近はグルテンフリーの食材も増えているので、それらを利用して健康な日常を過ごしていきたいと思わせる一書でした。

出典:三笠書房「いつものパンがあなたを殺す」デイビッド・パールマター、クリスティン・ロバーグ共著

東京練馬事務所 菅原明子

 


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